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部活は何のため?【運動部編】

部活動は将来の役に立つのか、疑問に思ったことはありませんか?
部活動に情熱を注ぎ、現在は社会で活躍している先輩や、部活動の地域移行やスポーツ社会学の専門家の先生に話を伺いました。

MAE社長・前田大介さん
『苦しい経験 社会で生きる』

きっかけは『スラムダンク』ですね。バスケットボールを始めたのは、小学5年生の頃。週刊少年ジャンプに掲載されていた漫画を夢中になって読んでいました。中学の部活では副キャプテンでポイントゲッターでした。高校ではキャプテンを務め、県大会で準優勝し、北信越大会に進みました。大学や社会人でもクラブチームでプレーしていました。

高校のバスケ部は、『スラムダンク』やNBAのマイケル・ジョーダンの影響で、部員が50人もいました。週に1度指導してくれる人は来てくれるのですが、実質的な監督はキャプテンである僕でした。日々の練習を仕切らないといけないし、ユニホームを着る選手15人やスタメンを選ばないといけない。残る35人はユニホームをもらえないわけです。「なんで自分が選ばれないのか」と言われるのは僕で、試合に出られない人たちのモチベーションを維持し、チームをまとめていくのが難しかった。キャプテンになってからはバスケを純粋に楽しめたかというと、そうではありませんでした。中学は自由にプレーできたのですが、高校は苦しい時間でもありました。人生の起伏を味わいましたね。

1学年下は国体選手が出るくらいレベルが高い年代でした。僕と同じポジションにもうまい選手がいたので、3年の時に自分がスタメンを外れました。試合に勝つために、自分の技術に対する自信や、キャプテンとしてのプライドを全部捨てて、身を引くのがつらかった。引退した時は、「やっとこの苦しみが終わった」っていう感じでした。大所帯の部をまとめるという重い荷物を下ろせ、ほっとしました。それからは勉強と恋愛に走りました(笑)。

会社とスポーツの感覚は、非常に近いですね。高校時代、接戦やビハインドの状況から、逆転して勝っていく試合が多かったんですよ。食らいついて、一気に逆転していくのは爽快です。ファイティングスピリットや耐え忍ぶ心は、バスケで培ったものだと思います。

部活では毎日、練習か試合をしていましたので、強靭な体力を身につけられたと思います。バスケはスピードのある展開の中で状況判断をしなくてはいけないので、精神的な視野も広がりました。判断力のベースとなる精神力が身についたと思いますね。

チームをまとめることも部活で学んだことです。試合に出られなくても一生懸命声を出し、コートに立つ選手を奮い立たせてくれる人を大切にするのは、チームスポーツで大事なことです。会社でも、花形の部署ではない目立たない部署で頑張ってくれている人たちにも気を配り、声をかけています。

部活はやらなければいけないものではないから、中途半端にやらない方がいいですね。自分が本気でやりたいかどうか、どうしてやりたいのかが明確であればいいと思います。スポーツをしている中高生には、どうせやるなら、勝ちにこだわって準備と練習をし、思考を育てた方がいいと思います。その経験は、社会で生きることが多い。本気でやれば、仲間と一生の友達になります。ただの仲良し集団で終わらないでほしいと思います。青春は一瞬です。悔しいとか、うれしいとか、悲しいという感情を爆発させる瞬間が持てるのが部活の醍醐味なので、没入してほしいと思います。

文化部編はこちらから

2026.08.28 エンタメ

前田大介

MAE社長

まえだ・だいすけ 1979年上市町生まれ。富山高校、同志社大商学部卒。会計事務所勤務を経て、2008年に父が社長を務める前田薬品工業(富山市、現MAE)に入社し、14年に社長に就任。
医薬品製造販売のほか、化粧品製造販売や農業、旅行業、宿泊業などの新規事業を展開。20年に立山町にアロマオイルの抽出工房やレストランを備えた「ヘルジアンウッド」をオープンさせた。

※掲載内容とプロフィール情報は
Future vol.22(2026.7.6)時点のものです。

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