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部活は何のため?【文化部編】

部活動は将来の役に立つのか、疑問に思ったことはありませんか?
部活動に情熱を注ぎ、現在は社会で活躍している先輩や、部活動の地域移行やスポーツ社会学の専門家の先生に話を伺いました。

俳優・砂田桃子さん
『青春の思い出が原動力』

小学校の頃は目立たない子なのに、劇はやる気満々でした。舞台で演じることに憧れがあったんです。主役ではなくても、劇の練習は楽しかった。中学校には演劇部がなく、文化祭で演劇をしたい子を集めて上演しました。

高校は演劇部のあるところを探し、高岡高校に進みました。当時の演劇部はあまり力が入っていない雰囲気。同級生と「うちらの代で部を変える!」と誓い、新入生の勧誘も力を入れました。同級生に恵まれたことが一番の幸運でした。

先輩たちが引退し、2年生になった私たちが掲げた目標は全国大会です。県大会に向け、夏休みは部員みんながほぼ毎日、学校に集まりました。既成の台本では賞を受けられないと思い、台本を自分たちで作るところから始めました。顧問の先生と意見が対立したこともありましたが、今思えば尖がっていたと思います。芝居を稽古するチームがあり、小道具や大道具を作る子、照明や音響を担当する子もいました。みんな素人なので、見よう見まね。とにかく、みんなで協力し合いました。青春でしたね。県大会で最優秀賞を受け、中部大会に進みました。全国には手が届きませんでしたが、学校始まって以来の快挙でした。

引退してからは燃え尽き症候群でやる気が出ず、ぼーっとしてました。でも周りが受験の雰囲気になり、やばいと思って、そこからはちゃんと勉強しましたね。東京や芸大で本格的に演劇を学びたい気持ちはありましたが、親からは国立大にしてほしいと言われていました。国立大に演劇学科はなく、学費を払ってもらう立場ですし、演劇以外のことも勉強してみようと思って隣県の大学に進みました。

学生時代は、金沢の社会人劇団に入りました。就職活動は、周りに流されて1カ月だけしました。でも、やっぱり演劇を仕事にしたいと思い、進路を決めずに卒業しました。1年ほどアルバイトをしながら、社会人劇団で活動していました。金沢で芝居を続ける道もありましたが、「どうせやるなら東京に行きたい」と思い、劇団扉座の研究所のオーディションに通り、上京。その後入団し、現在に至ります。

劇団では、みんなで汗水流して稽古をし、お客さんに演劇を観てもらいます。お金をいただいていることは変わりましたが、楽しかった演劇部と地続きの感じです。つらいこともあるし、仕事になった時点で好きなだけではやっていけない部分もあります。でも、好きな演劇がやりたくて仕方なかった高校生の時の気持ちは忘れないでいようと思っています。それがあるから続けられる。

私が一番つらかったのは、高校3年生の時に部活を引退し、演劇ができなくなった頃です。その時に、自分を見つめ直し、本当にやりたいことが演劇だと分かりました。今の中高生もいろんな事情があって、行き詰まることがあると思いますが、自分を見つめ直す時間だと思ってほしい。

私はいっぱい遠回りをしてきました。でも、選んできた道を後悔はしていません。自分でたくさん悩んで、考えて、決断してきたからです。自分がどうしてもやりたければ、できる方法を探すし、助けてくれる人が現れたりするんですよね。中高生はこれから先、何だってできるじゃないですか。今はやりたいことができなくても、その気持ちを持ち続けてほしい。方法はきっと見つかります。

12月に念願の富山公演(扉座の「歓喜の歌」)に出演します。私が中高生の頃には演劇を見る機会が全然なかったので、ぜひ観に来てもらいたい!

運動部編はこちらから

2026.08.28 エンタメ

砂田桃子

俳優

すなた・ももこ 1989年生まれ、小矢部市出身。高岡高校、金沢大工学部卒。2012年に劇団扉座の研究所に入り、14年に入団。主要キャストとして出演するほか、他劇団の舞台出演やテレビドラマ、CMにも活躍の場を広げている。TBS日曜劇場の『VIVANT』『マイファミリー』などにも出演。劇団扉座は26年12月、立川志の輔さんの新作落語「歓喜の歌」の舞台を富山県民会館で上演する予定。

※掲載内容とプロフィール情報は
Future vol.22(2026.7.6)時点のものです。

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